シナノ精機はOEM業務が多いため、これまであまり本業についてブログに掲載ができなかったのですが、今回は当社で開発し、好評を頂いているワイヤー・チューブのエッチング装置をご紹介致します。

本機は減圧化のガラス管の中にプラズマを発生させ、そのプラズマ中にワークを通し、表面処理をする事によりコーティングの密着性を向上させる装置です。
ワークは装置前後の送り出し及び巻き取りローラーにより供給されます。
高周波電源によりプラズマを発生させる為、放電が安定しております。
主な消耗品はArガス、冷却水、ワークのシール用パッキンになり、ユーザーレベルでのメンテナンスや段取り替えが可能となります。

UV処理より強く、ブラストや研磨より弱い処理ができ、細くて長いワークに加工が可能です。装置は小型でランニングコストが安価です。

装置外観

【特長】
・機械的な強度が弱いワークに加工可能
・非接触処理により、ワークにダメージを与えない
・液体を使用しない
・金属だけでは無く樹脂にも加工可能
・プロセスに必要なのはArガスと水のみ
・粉塵や廃棄物を出さない
・クリーンルームにも設置可能(真空ポンプは除く)

【使用例】
・樹脂同士の密着及び接着力の向上
・表層の粗化
・クリーニング
・コーティング前処理

【例1】φ0.5mm程度のワイヤーに対して

①表面に付着した異物除去 ※バフ処理するとすぐに切れてしまう
 →非接触の処理の為、切断の心配がありません 

②コーティング前処理に使用
 →Arプラズマの為、表面に付着している有機物を綺麗に除去出来ます

③外側に樹脂を付けるので密着性を上げたい
 →プラズマを強くする事により、クリーニングだけではなく表層を軽く粗化する為密着性が向上します

【例2】樹脂製チューブに対して

①表面をエッチングしたいが、柔らか過ぎて加工出来ない
 →非接触処理の為、樹脂を変形させることはない

②吸湿の問題があり、薬液で処理が出来ない
 →ガスを使用する為、吸湿の心配がありません

③コーティングの密着性を上げたい
 →樹脂に対しても粗化が可能な為、密着性が上がります

電子部品の小型化に伴い、ワイヤの径も小さくなっていきます。極細ワイヤの表面改質等に最適です。

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